
ることも必要であろう。
さらに、自分はここに何を残していくのかということも考えて欲しい。職員は永久に施設にいるわけではない。転勤や退職は全ての職員が経験するわけだが、その時、多くの同僚が決して忘れない、自分がここにいたという確かな証しを残せるかどうかということである。「あの人がいたからこそこのシステムが可能になった」「あれはあの人が作っていったものだ」という、語り継がれるような職員を目指して欲しい。一人一人の存在は小さいかもしれないが、その一人一人が確かな仕事をすることによって、施設は伸びていくのである。
このような取り組みのほかに、もう一つ考えて欲しいのは「向こう岸」からの眺めである。外から青年の家はどう見えているのか。自分で利用する場合はどうなのか。この視点から自分の仕事を客観化してみると、今まで見えてこなかったものが意外とスムーズに発見できるのではないだろうか。
職員すべてが新しい夢と希望を持って、来るべき21世紀にも通用する、新しい青年の家をめざして頑張って欲しい。
■まとめ
青年の家が様々な厳しい状況を乗り越えて、これからますます発展していくことを祈ってやまない。青年を求める施設、青年が求める施設には、何といっても元気が一番である。元気のある施設づくりを行うために必要な観点を、“VIGOR(=元気)”という言葉で締めくくりたい。
(V)Variety《バラエティ.多様性》[利用者の多様なニーズに応え、利用者を重視する施設。毎年一つづつの話題作を取り入れ、常に注目される施設]
(I)Influence《インフルエンス.影響のある》
[地域の人々や様々な他の青少年教育施設に影響を及ぼす、先導的でモデル的な施設]
(G)Good quality《グッドクオリティ.良質》
[安かろう悪かろうからの脱皮、本物志向、良質のプログラムの提供を行う施設]
(O)Originality《オリジナリティ.個性的》
[地域の特性や自然条件を活かした、その施設しかない個性的で特色あるプログラムの提供。オンリーワンをめざす施設]
(R)Romantic《ロマンティック。夢のあふれる》
[一度来た利用者がまた来たくなるような、魅力あふれる施設]
この5つのことに自信を持って職員が取り組んでいく施設は、元気のあふれる素晴らしい施設となっていくと思う。また、青年の家個々が21世紀にどうあるべきかを述べてきたが、もう一点重要なことに触れたい。それは、これからはひとつの青年の家だけが頑張ってもダメだということである。青年の家全体が厳しい状況にあるということは事実であり、そのような逆風の中でひとり自分の所だけが書かれとする姿勢は、大局を見誤る結果となる。青年の家が互いに切磋琢磨しあうと共に、様々な青年の家がそれぞれの個性を発揮し、共に高めていくためのネットワークを作っていって欲しい。時には、「○○青年の家ではこんな面白いプログラムがありますよ」「××青年の家の主催事業はこんなところがためになります」などと、互いに宣伝しあうことも良いではないか。オンリー・ワンをめざした個性的な取り組みによって互いに刺激しあい、元気な青年がいつもあふれている青
前ページ 目次へ 次ページ
|

|